センター長:前田 嘉信

岡山大学病院
病院長
卒後臨床研修センター長
前田 嘉信

 「初心忘るべからず」という言葉があります。春の入学・入社の時期になると、物事を始めたばかりの新鮮な気持ち、初々しい気持ちを忘れないように、と繰り返し使われます。しかし、多くの人は、後にその言葉を反芻することはありません。なぜか。それはこの言葉が「気持ち」ではなく「意志」を指していること、「初心」とは「決意」であるとの認識が足りないためかもしれません。初々しい気持ちは次第に消えますが、どういう医師になりたいかの決意は持ち続けないといけません。初心を忘れるとは、決意の強さが足りないのかもしれません。人はなりたい人間になれます。ぜひ、始めたばかりのこの時期に、医師として未熟な今こそ「初心」を考え、そして持ち続けてください。

 岡山大学病院は、明治3年の岡山藩医学館大病院が開設して以来、150年を超える長い歴史と伝統を受け継いできた病院です。岡山大学病院の関連病院は、中国・四国地方を中心に約250施設にものぼります。「高度な医療をやさしく提供し、優れた医療人材を育て、社会・地域の持続的な健康増進に貢献します」が岡山大学病院の理念です。日本屈指の診療拠点として医療を提供し、研究拠点として医療・保健に貢献し、教育拠点として人を育てることを我々は決意しています。そして、岡山大学病院で学んだ同士が広く中国・四国地方で活躍しています。

 岡山大学病院の特色と強みは、なんと言っても歴史と伝統により培われた関連病院及び関係人口の厚みにあります。研修はこれらの関連病院と自由度の高いプログラムが組めるようになっており、「引出し」がとても充実しています。皆さんは、将来、研究者になりたい、海外に行きたい、地域で活躍したい、最先端の医療を提供したい、と様々な初心があるでしょう。岡山大学病院は、皆さんの決意に応えられる様々な引出しがあります。

 ようこそ、岡山大学病院へ。

医科部門長:伊野 英男

岡山大学病院
副病院長
卒後臨床研修センター
医科部門長
伊野 英男

 これから医師になろうとする皆さん、覚えていますか。皆さんが医学部に入学した時、将来に対してどのような“夢”や“希望”の灯(ともしび)を心の中に宿していたかを。「専門的知識や技術を身につけて大切な人々の健康や生命を守りたい」、「信頼される医師になって故郷の地域医療を支えたい」、「世界で活躍する医学研究者になって新たな治療法を開発したい」など、皆さんがそれぞれに、ワクワクするような「未来への灯」を胸に抱いていたことと思います。

 しかし、人生では折に触れて様々な変化が訪れ、思い描いてきた未来のカタチが、少しずつですが変化することもあると思います。当センターの活動の目的には、研修医の皆さんに良質で個別最適な研修環境を提供するだけでなく、研修中に起きる種々の変化の中で戸惑い、迷っている皆さんに少しでも寄り添い、大学病院ならではの多様な選択肢を提示することで、希望ある未来への力強い一歩を全力で支援することも含まれています。

 岡山大学病院は、多くの熱意溢れる指導医や研修スタッフを擁しているだけでなく、その長い歴史と経験を通じて、特長ある多彩で自由度の高いキャリア・サポートプログラムや日本全国に広がる「たすき掛け研修」のネットワークを維持・発展させてきました。今後も、日本屈指の「臨床研修ワンダーランド」を目指し、日々進化を続けてまいります。

 ぜひ、初期臨床研修という医師としての大切な「はじめの一歩」を、岡山大学病院で踏み出してみませんか。当院なら、現在の皆さん一人一人の「未来への灯(ともしび)」をもっと大きく、もっと光り輝くものにできると、私たちは確信しています。

 ここ岡山の地で、皆さんにお会いできることを心から楽しみにしています。